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感性が思想を生みだす

理性と感性というと、感性は主観的で個人的想いで、理性は普遍的で公共的だと思われてきた。しかし、理性などというものこそ、協働主観的なもので、その時代その時代よって、あたかも普遍的に通用する知だと錯覚されてきたのだ。

 一方、感性こそ、その理性に曇らされてきたし、排除されてきた長い歴史が横たわってきた。ところが、その阻害要因を1つひとつ取り除いていったら、実は人類共通の感性が顕れてくることに、私たちはようやく気づいたのだ。AIは理性を陵駕できるが、それはどこまで発展しても時代の限界内にあり、人間は感性で限界を乗り越えていくのである。

もっとも、感性も、この地球という自然システムの条件に従う。多くの人間が地球を飛び出たとき、それを実感するだろう。
 いずれにしても、クリエイティビティは、すべての人々にもともとある自然システムの条件に反応するものだったのだ。感性を磨くことが、自然システムの新たな姿を見出し、既存の知識をぶち壊し、新しい知識を創る思想を生み出すのである。