Mei Hommaさんの教育リポート

第二次世界大戦前に海外渡航した日本人についてのリサーチ①

私はいわゆる「からゆきさん」とよばれる、明治から大正にかけて出稼ぎや移住を目的に海外渡航した日本人移民-時として売春を行わなければならなかった女性も多数含む-について調べ、また彼らがいかにインドネシアにおける第二次世界大戦前の日本人コミュニティ形成を導いたのかを映像作品にすることで、近代を通して現代まで影響しうる日本におけるジェンダー観や、日本人女性の国内外でのイメージについて考察するきっかけを模索している。これまで森崎和江や山崎朋子など、日本人作家のルポルタージュと明治期の新聞(日本やインドネシアで発行されていたもの)などを中心としたリサーチに加え、自身で映像撮影を行うほか、映像に用いるためのアーカイブ資料を過去の新聞や様々な機関のオンラインアーカイブから見つけてきた。

イベントのお知らせ ポップアップライブラリー -Invisible Mothers-

Back and Forth Collectiveという、私が関わっているコレクティブで短期間のライブラリー兼展覧会イベントを開催することになったのでお知らせします。期間中はアーティストや研究者が選んだ、ジェンダーや女性に関する本を手にとって読むことができ、またドローイングなどの小作品も展示します。 「ポップアップライブラリー -Invisible Mothers-」

あいちトリエンナーレ2016より

今月23日まで開催のあいちトリエンナーレ2016を先週末見に行ってきた。

写真家や映像人類学者である港千尋氏が芸術監督を務めた今回のトリエンナーレ「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」は、創造しながら旅(キャラヴァン)を続ける人間がテーマとなっており、また人間以外の動物や生物との関わりも重要な要素になっている。個人的には視覚的に楽しめる作品だけではなく、ポリティカルなテーマを持った映像作品などが多く見られたので充実した時間を過ごせたのだが、北海道や沖縄、または他国の地域を紹介する際に起こり得る“自分たちとは別の民族”といったような視点を未だ持っているような気がしてしまった。しかしそういったバイアスを忘れさせるパワフルな作品もあったので、ここで2つ紹介したい。おそらく意識的にこの2作品は旧明治屋ビル会場内に隣同士で展示されていた。

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